茶番主義!第6回公演『異国の心臓 ー反芻ー』。
稽古も半ばを過ぎ、ぼちぼち通しに手が届きます。
佳境の一歩手前です。
わたしは今回、脚本と演出と出演と映像を作る人をやっています。
なんだかスタッフロールを作るとやたら名前が現れて
笑う犬の冒険の大嵐浩太郎のようですが
演出は演出助手という名の演技指導・山田了子と共同演出のようなものだし
出演は最も出番の少ない、友情出演のような役です。
そしてなにより再演なので、脚本は加筆と再構成だけ。
0→1ではなく1→100の作業は決定的な壁にぶち当たっていきづまる、
ということは起きません。
『異国の心臓 ー反芻ー』のもとになった無印 異国の心臓を書いたのは
5年前の19歳の時。
初めて書いた長編戯曲で
人に自分の作品を見せて感想をもらえる状態になったのも初めてでした。
誉められても、欠点を指摘されてもただただ胸がどきどきしていた頃。
要するに初心真っ只中の甘い思い出がたくさんある作品です。
わずか70名ほどいた当時の観客の方はどこが変わったか探してみてください。
先に答えの一部を言っておくと
登場人物たちがだいぶ人間らしくなりました。
無印『異国の心臓』では夫婦がデキ上がってないし
姉妹の関係は干上がっているし
人が死んだ/殺したあとの気持ちの立て直りの速さは少年探偵団とどっこいです。
無印版のあまりにサイコパスっぷりに5年という年月を感じます。
5年のうちに出会った人、触ったことの分だけ作品に血が通いました。
無印版が無色透明だとしたら、今回はラズベリー色か、レモンイエローか、
ともかく暖色系の色気がついたというところでしょうか。
かつて「透明で綺麗な話でよかった」とアンケートに書いてくださった方には
願わくば今回新しくついた「色」を気に入って欲しい、と思います。
無垢なものは最高ですが、無垢のまま良さを押し通すのは難しい。
それはごく一部のそういう作品が向いている人のもので
私や茶番!はそういった人たちではないし
あんまりなりたくないからです。
ではどんなかんじにしたいのか。
それが一言で言えるなら演劇なんかやってないわ、というずるい回答で閉じたいと思います。
眠くなると起きてるところに数秒間の短い夢を挟むように見るようになるんですが
今、教室の斜め前の席が引田天功さんだった、という絵が見えたからです。
目が冴えて眠れないから書いてたんですが
いいかんじにほぐれてきたので、もう寝ます。おやすみなさい。
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