今日は楽しい小屋入りの日です。
美術も衣装も音響も照明も映像も、やっとあるべき場所で一同に会します。
劇場には観にいくだけで心は高鳴りますが、自分がやる側になるとたまらないですね。
何度やっても、どんな緊迫した状況でも、心躍ります。
劇場に入ると役者の演技が変わります。
お気に入りの服を着ている日は調子がよくなるのを、何倍にも濃くしたようなものです。
今回のお話の主人公の一人、”午前”は、故郷の街が滅んでから
9年間ずっと穴の中でオパールを掘って暮らしている人間です。
9年間、来る日も来る日も、ただオパールを掘ることだけを考えて生きています。
そうやって同じことをずっとやっている人は凄い人です。
ですが確実に、恐ろしい人でもあります。そして弱い人でもあります。
まして女性なので、その恐ろしさは余計に美く光り、弱さは強烈な危うさを発します。
川原茜は、茶番の劇ではいつも狂言回しのミステリアスな役をやってもらうことが多いですが
今回はむしろ運命に翻弄される側、狂言回しとは逆の役です。
そんな脆くて怖い茜の中に、小屋入りして、美術の中で衣装を纏うと
いつもの怪しい美しさが宿ってきました。
いいとこどりです。
まだ小屋入りして1日目。
残り2日でどんな午前をお届けできるか楽しみです。
ではでは。
階段で何かに気がつく川原
山科有於良
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